【10月10日 AFP】チュニジア大統領選の候補者ながらマネーロンダリング(資金洗浄)の疑いで拘束されていたメディア王のナビル・カルウィ(Nabil Karoui)氏が、決選投票を数日後に控えた9日夜、解放された。

 現場のAFPの記者によると、首都チュニス近郊モルナギア(Mornaguia)の刑務所を出てきたカルウィ氏を、大勢の支持者たちが赤と白のチュニジア国旗やカルウィ氏を応援する横断幕を振って出迎え、歓喜の声援を送った。

 先にカルウィ氏の弁護士の一人は、裁判所が同氏に対する「勾留命令を取り消した」と説明。別の弁護士は、カルウィ氏は依然として捜査対象ではあるが「自由の身だ」と話した。

 カルウィ氏は資金洗浄容疑で8月から刑務所に身柄を拘束されていたにもかかわらず、大統領選の第1回投票では15.6%の得票率を得ている。

■議会選は与党のイスラム政党が首位

 カルウィ氏の解放から程なく発表された6日の議会選の暫定結果は、イスラム主義政党「アンナハダ(Ennahda)」が定数217中、52議席を獲得して第1党となったものの、議会の決定権を握る109議席には遠く及ばなかった。

 一方、半年前にカルウィ氏が設立した新党「チュニジアの心(Qalb Tounes)」は38議席を獲得した。

 アンナハダとチュニジアの心は議会選に先立って、連立政権の可能性はないと公式に発表している。(c)AFP/Hamza MEKOUAR