【7月6日 AFP】チュニジアのユスフ・シャヘド(Youssef Chahed)首相は5日、先月27日に同国で起きた連続自爆攻撃を受け、保安上の理由から、イスラム教徒の女性に対して官庁では目以外の顔を覆うニカブの着用を禁止する措置を導入した。

 首相府によるとシャヘド氏は、「保安上の理由で、顔を覆った状態での行政機関の出入りを禁止」とする政府の通達に署名した。

 ニカブの着用禁止措置は、先月27日に首都チュニスで連続自爆攻撃が発生し、警備が強化されたことを受けて導入された。この事件では2人が死亡、7人が負傷した。

 イスラム教の信仰を示すニカブなどの衣服は、長期にわたったジン・アビディン・ベンアリ(Zine El Abidine Ben Ali)独裁政権下では認められていなかったが、2011年に起きた革命でベンアリ氏が失脚すると、ニカブなどを着用した人々が再び見られるようになってきた。

 当時の内務相は2014年2月、自爆攻撃などの実行犯が変装したり法の網から逃れたりする目的でニカブを着用するのを防ぐため、警察に対し、ニカブ着用者の監視を強化するよう指示。2015年に治安部隊や観光客を狙った攻撃が発生してからは、再びニカブの着用禁止を求める声が上がっていた。

 今回のニカブの禁止措置をめぐり、首都チュニスでは市民の反応は分かれている。(c)AFP