【10月10日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は9日、シリア北部から米軍を撤退させ、トルコのクルド人攻撃を容認した自身の決定が激しい批判を浴びていることについて、第2次世界大戦(World War II)のノルマンディー(Normandy)上陸作戦で「クルド人はわれわれを助けていない」と自己弁護した。

 これまで米国は、シリアにおけるイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」掃討作戦で同国北部のクルド人勢力と同盟関係を結んで共闘してきた。しかし、トランプ氏は記者会見で、クルド人が戦っているのは「自分たちの土地のためだ」と発言。「今日の記事の中で誰かが非常に強く力説していていたが、例えばクルド人は第2次世界大戦でわれわれを助けていないし、ノルマンディーでもそうだ」と述べた。トランプ氏が言及したのは、保守派のウェブサイト「タウンホール(Townhall)」に掲載された、米軍撤退の決定を支持するコラムとみられる。

 トランプ氏は「われわれはクルド人を助けるために莫大な金額を費やした。弾薬、武器、資金を調達し、支払いも行ってきた」と述べた上で、「そうは言っても、われわれはクルド人が好きだ」と付け加えた。

 トランプ氏はこう主張しているが、かつてIS掃討作戦の有志連合軍で米特命大使を務めたブレット・マクガーク(Brett McGurk)氏は、クルド人に提供した武器は「ごくわずか」であり、地域安定化資金の出資元はほぼ全額が「有志連合軍」だなど、以前からトランプ氏への反論を展開している。(c)AFP