【10月9日 AFP】仏パリのホテルに滞在していた日本人男性(30)がたばこを吸うため外に出た際、身に着けていた推定84万ドル(約9000万円)相当のスイス製腕時計を強盗に奪われた。警察筋が8日明らかにした。

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 被害者は7日夜、凱旋(がいせん)門(Arc de Triomphe)近くの五つ星ホテル・ナポレオン(Hotel Napoleon)の外で、近寄ってきた男からたばこを1本ねだられた。

 その直後、男は被害者の腕をつかむと、スイスの腕時計メーカー、リシャール・ミル(Richard Mille)製の希少な腕時計「トゥールビヨン・ダイヤモンド・ツイスター(Tourbillon Diamond Twister)」を奪って逃げ去った。

 同社製の腕時計はケース部分が大きく、複雑な内部機構が見えるようになっている。時計愛好家から高い評価を受けており、裕福な旅行者を狙うパリの強盗やすりに目をつけられやすい。

 8日付の仏紙パリジャン(Parisien)によると、パリのシャンゼリゼ(Champs-Elysees)通り近くでは、今年に入ってから20件余りの高級腕時計強盗が発生。また、パリと近郊を合わせた地域では1月から9月までに同様の強盗が71件発生し、リシャール・ミル製の時計も少なくとも4本盗まれていた。

 警察筋によれば、今回の犯人は逃げる際に携帯電話を落としており、被害者には希望もある。この携帯電話は、すでに重大な強盗事件や組織犯罪を捜査する部署に引き渡されている。(c)AFP