【9月3日 AFP】(写真追加)フランスの首都パリにある近代美術館「ポンピドーセンター(Pompidou Centre)」の近くに、英国の覆面ストリートアーティスト、バンクシー(Banksy)が残していた作品が盗まれた。同館が3日、明らかにした。

【写真特集】AFPの写真で見るバンクシーの作品

 このステンシル作品は昨年6月、同館の駐車場の案内板の裏側に出現。虐げられた者を象徴し、バンクシーの分身とされる覆面姿のネズミが、ステンシルをカットする際に用いるカッターナイフを誇示している様子を描いた作品だった。

 ポンピドーセンターは、窃盗犯らがのこぎりで作品を切り出して持ち去ったとみている。作品には、盗難防止用のガラスカバーが備えられていた。

 同館の警備員らが1年前にも、作品を取り去ろうとしている窃盗犯ら捕まえたことがあるという。

 欧州最大の近代美術コレクションを誇るポンピドーセンターには、バンクシーの作品は収蔵されていないものの、同館は器物損壊として警察に通報したとしている。

 パリでは7か月前にも、2015年に同市で起きたイスラム過激派による同時襲撃事件で90人が死亡した劇場「バタクラン(Bataclan)」に残されていた、犠牲者を追悼する作品が盗まれた。

 さらに、犬の脚をのこぎりで切り落とした後で、その犬に骨を差し出しているスーツ姿のビジネスマンを描いた、反資本主義的な壁画もなくなっている。(c)AFP