■ナチス・ドイツとの関係

 多くの専門家は、ホーエンツォレルン家が財産を取り戻したら、公共の美術館や博物館の収蔵品が激減すると憤りを示している。一方、ホーエンツォレルン家の弁護人はAFPの取材に対し、「請求は法律に基づくものだ」と主張した。

 1994年の法律ではソ連に没収された財産の補償請求権が認められているが、それは財産の所有者がナチス・ドイツ(Nazi)に「相当の支援を提供」していない場合に限られている。

 英エディンバラ大学(University of Edinburgh)の歴史学者シュテファン・マリノフスキ(Stephan Malinowski)氏は、歴史学者の間でウィルヘルム2世の息子とナチスのつながりについては論争となっていると話す。

 同氏は「歴史学者の大半は、ドイツ皇太子は(ナチス)党員になったことはないものの、ナチスと非常に強い結びつきがあったと考えるようになっている」とAFPに指摘した。(c)AFP/Bruno KALOUAZ