【10月7日 AFP】ローマ・カトリック教会のフランシスコ法王(Pope Francis、82)は6日に始まった南米アマゾン(Amazon)地域に関する司教会議で、既婚男性でも司祭になれるようにするという物議を醸している案について提起しようとしている。

 カトリック教会の今回の世界代表司教会議は、アマゾン地域で孤立する貧しい先住民社会を支援するために開催された。ブラジルなどアマゾン周辺諸国9か国の113人を含む司教184人がバチカンに招集され、3週間にわたって議論が交わされる。

 会議のためにまとめられた80ページに及ぶ作業文書は、社会的不公正や殺人を含む犯罪などを痛烈な単語を用いて非難し、教会の行動計画を提案している。

 フランシスコ法王は、遠隔地にまで広がるアマゾン地域に住む人々へ布教するために、既婚男性でも司祭になれるようにする提案について議論したい意向だ。

 だがこの提案は、アマゾン地域に例外を設けると司祭の独身制の崩壊につながるとして、一部の伝統主義者から強い反発を呼んでいる。ただし、カトリック教会の教義では、司祭は独身でなければいけないとは定められておらず、また独身制の伝統が始まったのは11世紀のことだ。

 この案については特に、影響力の強い進歩派が存在するドイツのカトリック教会で熱心な議論が交わされている。

 また、この会議では、すでにアマゾン地域の教会で中心的な役割を担っている女性のための公式な役職の設立についても話し合われる予定となっている。(c)AFP/Catherine MARCIANO