【10月5日 AFP】メキシコのクラシック音楽賞「バトゥータ(Batuta)賞」の主催者は4日、数々のセクシュアルハラスメント(性的嫌がらせ)疑惑が持ち上がっている世界的オペラ歌手プラシド・ドミンゴ(Placido Domingo)氏(78)に賞を授与するとの最終決定を下したことを発表した。

 ドミンゴ氏は5月に同賞の受賞者に選ばれ、今月5日に首都メキシコ市で行われる第1回目の授賞式で他の15人と共に賞を授与される予定だったが、主催者は今月3日、「疑惑が全て晴れるまで」授与を見送ると発表していた。しかし4日になって方針を一転させ、ドミンゴ氏に賞を授与すると決定。ただし、本人は式典には出席せず、映像での参加になると発表した。

 ドミンゴ氏のセクハラ疑惑をめぐっては、20人の女性が、無理やりキスをされたり、スカートの中に手を入れられたり、胸を触られたと告発。こうした行為は少なくとも1980年代から続いていたとされる。

 疑惑を受けてドミンゴ氏は2日、ロサンゼルス歌劇場(LA Opera)の総監督を辞任すると表明。事実上、米国での活動に幕を閉じることとなった。また同氏は先週、米ニューヨークのメトロポリタン歌劇場(Metropolitan Opera)で予定されていたすべての演目から降板すると発表した。他にも、複数の米国の歌劇場がドミンゴ氏への出演依頼を取り下げるなどの措置を取っている。(c)AFP