【10月7日 CNS】号砲が鳴ると、大声援の中、数人の学生僧が一斉にダッシュし、100メートルを駆け抜けた。チベット仏学院(西藏藏学研究センター)の第1回運動会が2日、中国・チベット自治区(Tibet Autonomous Region)ラサ市(Lhasa)で開幕し、3日間の日程で行われた。

 2日の運動会では、特殊な競技「砂袋抱え」が実施された。チベットの伝統競技「石抱え」に似た競技だ。

 25キロ、50キロ、75キロ、100キロの砂袋が一列に並べられ、僧侶らは座ったり立ったりしながら周りを取り囲み、タイミングをうかがう。一人の若い僧侶が、拍手の中、抱え上げようとしたが失敗し、観衆は一斉にため息をつく。

 別の場所では、大柄で体重の重そうな僧侶の出場だ。大声援の中、75キロと100キロの砂袋の前でやや躊躇(ちゅうちょ)したあと、軽いほうを選び、肩の上に担ぎ上げようとするが、あと少しで成功というところで、これも失敗に終わった。

 運動場の一角では、砲丸投げの競技が行われた。8メートルや9メートルを投げる優秀な僧侶が次から次へと出場していた。また、それほど遠くない別の一角の砂場では、多くの観客が見守る中、尼僧が恥ずかしげに今までやったことのない立ち幅跳びに挑んでいた。

 運動会の中で、学生僧らは陸上競技やバスケットボール投げなどに参加。このほか、特別な身分の低年齢の活仏(化身ラマ)らも、年齢に応じて縄跳び、羽根蹴り、ドリブル、400メートル走などの競技に参加していた。学生僧以外にもチベット仏学院のすべての教職員も参加し、綱引き、リレー、卓球などの競技に臨んだ。

 4×100メートルのリレーに参加した同学院の副院長で大経師(高位の教員)である扎西堅参さんは「運動会では多くの面白い競技を選んだ。学生にはストレスを発散し、健康な学校生活を過ごしてもらいたい」と語った。(c)CNS/JCM/AFPBB News