【10月7日 AFP】テニス、中国オープン(China Open 2019)は6日、女子シングルス決勝が行われ、大会第4シードの大坂なおみ(Naomi Osaka)は3-6、6-3、6-2の逆転で第1シードのアシュリー・バーティ(Ashleigh Barty、オーストラリア)に勝利。失意の全米オープン(US Open Tennis Championships 2019)からの再起を心に誓っていた中で、見事に2大会連続のツアー優勝を果たした。

「最初はどうしても勝ちたいということしか考えられなくて、気持ちが入り過ぎていた」と話す第1セットを取られた後には、涙もこぼれたという大坂だが、そこから力強く巻き返して世界ランキング1位のバーティを破り、21歳の若さでツアー5勝目を挙げた。

 今季の大坂は、1月の全豪オープン(Australian Open Tennis Tournament 2019)を制しながら、全米オープンではベスト16敗退に終わるなど、浮き沈みの激しいシーズンを送ってきた。しかし直近は、9月の東レ・パンパシフィック・オープン(Toray Pan Pacific Open 2019)に続いてこれでツアー2連勝。しかも今回は、全米女王のビアンカ・アンドレスク(Bianca Andreescu、カナダ)、全仏オープン(French Open 2019)覇者のバーティらを退けての優勝となった。

 大坂は、連覇を目指し、大会第1シードで臨んだ全米で敗退した後、この2大会に照準を合わせてきたことを明かし、「計画通りとは言わないけど、すごく考えてはいた。だから達成感がある」「この2大会は自分のためというより、チームのためにプレーしているところがあった。全米オープンの結果が良くなくて、すごく申し訳ない気持ちがあった」と話した。

 全米後には何かを変えようと父レオナルド(Leonard Francois)さんを再びコーチに迎え入れ、それが早速効果を発揮しているが、あくまでも暫定的な話のようで、「父は私の試合を見るのがあまり好きじゃない。ストレスになっていると思う。だって私がボールを打つたびにひきつったようになるから」と笑顔で明かした。

 敗れたバーティは、北京の肌寒いコンディションの中で、大きな武器であるスライスが「うまくかからなかった」ことを嘆きつつ、「すごく誇らしい」「時期やコンディションに関係なく、すべての大会に出場する自分とチームを誇りに思う」とコメントした。

 5年前に一度テニスを離れ、クリケットに転向した経験を持つ23歳は、大坂とアンドレスクという2人の若い才能としのぎを削る状況を喜び、「3人全員にとってすごくエキサイティングな機会だと思う」と話している。(c)AFP/Peter STEBBINGS