【10月1日 AFP】荘厳でありながら心地よい声を世界各地のオペラハウスやオーケストラで披露し、最も尊敬されていた現代オペラ歌手の一人だった米国のソプラノ歌手ジェシー・ノーマン(Jessye Norman)さんが9月30日、死去した。74歳だった。家族が明らかにした。

 AFPが入手した広報担当者の発表によると、グラミー賞(Grammy Awards)の受賞歴もあるノーマンさんは、2015年に受けた脊髄外傷に伴って起きた敗血症性ショックと多臓器不全によって、米ニューヨークの病院で「愛する人たちに囲まれて」亡くなった。

 ノーマンさんは1945年9月15日、米ジョージア州オーガスタ(Augusta)生まれ。4歳でゴスペルを歌い始め、幼い頃からラジオでオペラを聴いた。若い黒人女性の先駆けとして白人の世界だったクラシック音楽界に入ると、その天に舞い上がるような声と快活な性格ですぐに人気を集めた。

 2度の米大統領就任式や、1996年のアトランタ五輪の開会式などの大舞台でも歌声を披露した。フランス芸術文化勲章の最高章コマンドールも授与された。(c)AFP