【9月30日 AFP】ナイジェリア警察は30日、同国の最大都市ラゴス(Lagos)近郊に複数存在する「赤ちゃん工場」と目される違法な助産施設から、妊娠した女性計19人を救出したと発表した。これらの施設では、生まれた子を販売する目的で、妊婦が出産を強要されていた。

【関連記事】ナイジェリア、「赤ちゃん製造工場」の実態と背景(2013年)

 ラゴス警察はAFPに対し、「機密情報に基づき、出産後に販売することを目的として、妊婦や新生児を囲っている者らの活動について通報を受けていた」と明かした。

 また「捜査を経て、妊娠した女性19人と新生児4人を救出することができた」と説明。解放された女性らの年齢は15~28歳だったといい、「一部の女性はだまされて、職探しのためラゴスに行くと言われたものの、気が付くと逃げられなくなっていた」とされる。

 捜索は今月19日、ラゴス郊外の民家3軒とホテル1か所で行われた。警察は「容疑者2人を拘束しているが、1人は依然逃走中」だとしている。

 女児は30万ナイラ(約9万円)、男児は50万ナイラ(約15万円)で売られていたとされるが、「その目的や販売先はまだ明らかになっていない」という。

 警察による赤ちゃん工場の摘発は、ナイジェリアの特に南東部でこれまでにもしばしば行われている。

 石油が豊富な同国は、アフリカ最大規模の経済を誇る一方で、極貧生活を強いられている人の数が世界の他のどの国よりも多い。(c)AFP