【9月30日 AFP】イエメンとサウジアラビアの国境付近で先月、イエメン暫定政権側の軍がイスラム教シーア派(Shiite)の反政府武装組織フーシ派(Huthi)の攻勢を受け、兵士ら200人余りが死亡、1000人以上が捕虜となったことが分かった。暫定政権筋とフーシ派が29日、明らかにした。

 イランの支援を受けてサウジアラビア主導の連合軍と戦うフーシ派は、サウジ兵を大量に拘束したと主張している。ただ、29日のフーシ派の記者会見では、この主張を裏付ける十分な証拠は示されなかった。

 フーシ派のヤヒヤ・サリー(Yahya Saree)報道官は、8月25日から3日間にわたって「大規模な」作戦が行われたと発表。サウジアラビア南部ナジュラン(Najran)付近での攻撃を撮影したとする写真を公開した。

 フーシ派によると、ミサイルや無人機を用いた攻撃を十数回行い、政権側の兵士ら200人以上を殺害したという。サリー報道官はまた、「捕虜2000人以上を拘束した」と主張。大半はイエメン人だが、他の国籍も含まれていると説明したが、詳細は明らかにしなかった。

 一方、イエメン暫定政権の情報筋は、この攻撃で約200人が死亡したことをAFPに認めた。ただ、拘束された人数はフーシ派の発表より少ない「約1300人」で、うち280人は負傷者だとしている。

 この情報筋によれば、暫定政権軍はイエメン北部のフーシ派拠点サーダ(Saada)で4日間にわたりフーシ派に包囲されていたという。

 サウジ主導の連合軍は現在のところ、サウジ兵を拘束したとするフーシ派の主張について公式にコメントしていない。(c)AFP