【9月30日 AFP】中国人の多くは、中華人民共和国の建国の父、毛沢東(Mao Zedong)政権下の混沌(こんとん)とした血なまぐさい数十年のことを忘れてしまっているのかもしれない。だが、中国共産党の創立が宣言されてから70年がたつ今、毛をモチーフにした記念品が中国全土の店舗や露店で販売されている。

 一目で分かる「偉大なる指導者」の顔は、キッチュなグッズに加工され、ポスターやうちわ、装飾品、マグカップ、皿などの図柄に。晩年の姿を基にデザインされたものが多く、恰幅(かっぷく)が良く、髪の生え際が後退し、伝統的な人民服を着ている姿には哀愁が漂っているようにも見える。毛がシンボルにもされていた「太陽」の中心に配置され、後光が差しているように描かれたものもある。

 革命運動をテーマにしたレストランも増えている。

 その一つ「粗粮人家(Cu Liang Ren Jia)」では、壁や食器類、スタッフの制服までもが「共産党風」にデザインされている。軍服姿のスタッフが運んでくれるのは洗練されてはいないが心のこもった料理で、壁に張られたプロパガンダのポスターからは、笑顔で土地を耕す農民たちがこちらを見下ろしている。(c)AFP