【9月30日 AFP】第17回世界陸上ドーハ大会(17th IAAF World Championships in Athletics Doha)は29日、各種目の決勝が行われ、女子100メートルではジャマイカの短距離女王、シェリー・アン・フレイザー・プライス(Shelly-Ann Fraser-Pryce)が史上最多4個目となる同種目の金メダルを獲得したが、客席は半分ほどしか埋まっていなかった。

 数色に染めたウィッグをつけてレースに臨んだフレイザー・プライスは、今季世界最高となる10秒71の見事な走りで優勝すると、代表チームが陣取る一画の前でガッツポーズをつくり、国旗をまとった。五輪で2個の金メダルを獲得している32歳は、さらに2歳の息子ザイオン(Zyon)君を抱きかかえて一緒にスタジアム内をまわったが、通り過ぎるスタンドに観客の姿はほとんどなかった。

 それでもフレイザー・プライスは「息子を産んだ後に、こうしてまた世界チャンピオンになれてとてもうれしい」「こういう女子選手は増えているし、みんな良い成績を残してやろうという気持ちを持っている。私としても、勝利を持ち帰ることができて本当にうれしい」とコメントした。

 英国のディナ・アッシャースミス(Dina Asher-Smith)が10秒83で銀メダル、コートジボワールのマリージョゼ・タルー(Marie-Josee Ta Lou)が10秒90で銅メダルを獲得した。

 この日の最後の種目となった女子20キロ競歩では、こちらも出産後に復帰を果たした2016年のリオデジャネイロ五輪金メダリスト、劉虹(Hong Liu、中国)が優勝した。出産のため、2017年から2018年にかけて休養していた32歳は、厳しい暑さと湿気をものともせず、1時間32分53秒で自身3回目となる世界選手権のタイトルを獲得。表彰台を独占した中国勢の一番上に立った。

 男子三段跳びでは王者クリスチャン・テイラー(Christian Taylor、米国)が優勝。敗退の危機を乗り越えて17メートル92を記録し、神経をすり減らす決勝を制して世界陸上3大会連続、通算4個目となる金メダルを獲得した。

 女子棒高跳びはロシア出身のアンジェリカ・シドロワ(Anzhelika Sidorova)が制した。ドーピングスキャンダルを起こしたロシアの資格停止処分が解けていないため、中立選手としての出場となったシドロワは、4メートル95をマークした。(c)AFP/Pirate IRWIN