【9月29日 AFP】スリランカ中部の森林保護区で27日と28日、野生のゾウ計7頭の死骸が見つかった。作物を荒らされたことに怒った村人に毒殺されたとみられている。

 現場近くには、国連教育科学文化機関(UNESCO、ユネスコ)の世界遺産(World Heritage)にも登録されている古代都市シギリヤ(Sigiriya)がある。

 警察官のルワン・グナセケラ(Ruwan Gunasekera)氏は、「27日以降、牙のあるゾウ1頭を含む7頭の死骸を発見した」と述べた。27日に見つかった4頭の死骸の中には、妊娠中の雌1頭も含まれていた。

 スリランカでは毎年200頭近いゾウが殺されており、その多くは農地に入り込んだ後、農民に殺されている。

 一方、ゾウは毎年約50人の命を奪っている。こうした事故のほとんどは、ゾウが生息地近くの村に入り込んだ時に起きている。

 シギリヤ警察によると、野生生物の専門家と獣医師らは、ゾウが毒を盛られたのではないかと疑っており、死骸の解剖を行うことになっている。

 スリランカ中部では、ゾウが村を襲い、作物を荒らす事例が相次いでいた。
 
 同国でゾウ殺しは死刑とされているが、執行はされていない。(c)AFP