■どのように進むのか

 合衆国憲法に定める「反逆罪、収賄罪その他の重大な罪または軽罪」に値する罪を大統領が犯したと議員らが考えた場合、まず下院で手続きが開始する。

 議員は誰でも弾劾決議案を提出でき、他の法案と同様に決議案は委員会で審議される。また、弾劾決議がなくても弾劾手続きを開始できるとされている。

 十分な証拠があると認められれば、委員会は刑事裁判における起訴状に当たる弾劾条項を起草する。

 下院議員の過半数がこの弾劾条項に賛成すれば、上院において弾劾裁判が行われる。上院(議席数100)の3分の2以上が有罪とすれば、大統領は罷免される。この場合、副大統領が大統領に就任する。

 トランプ氏は政治的動機から、ウクライナで事業を行っているバイデン氏とその息子ハンター(Hunter Biden)氏について調査を進めるよう同国に圧力をかけたことで、権力乱用の罪に問われるとみられている。

 2016年大統領選挙でのロシア介入疑惑をめぐる捜査を指揮したロバート・モラー(Robert Mueller)元特別検察官も、トランプ氏による司法妨害が複数回あったことを詳述しており、ほぼ間違いなくこの件も今回の弾劾で検討されるだろう。

 弾劾手続きには確固たる証拠が求められるが、本質的には政治的手続きであり、刑事裁判ではない。

 トランプ氏によって、民主党は政治的に分裂している。

 ペロシ氏は、共和党が上院の過半数を占めているためトランプ氏を弾劾してもどうにもならないと主張している。また、2020年11月の大統領選で議会を完全に掌握し、政権を奪還するという民主党の試みに損害を与える可能性があるとも指摘する。

 一方、支持者らはトランプ氏に責任を課すことを求めていると主張する民主党議員もいる。(c)AFP