【9月25日 AFP】フランス北部リール(Lille)近郊で建物の屋根の上をうろついているところを捕獲されたクロヒョウが、移送先の動物園から盗まれたことが分かった。動物園があるモブージュ(Maubeuge)の市長が24日、明らかにした。

 ベルギーとの国境近くに位置するモブージュの市長はAFPに対し、クロヒョウが市内の動物園から夜間に盗まれたと話した。

 市長はクロヒョウだけが標的だったと述べ、鍵をこじ開けて防犯システムを避けるために「相当な努力」がされていたと語った。

 動物園の職員らは、幼いクロヒョウの健康状態を懸念している。市長によると、クロヒョウは生後わずか数か月で体重は25~30キロほどしかなく、「体力を失っていたため、かなり虚弱」だったと述べた。

 消防当局は18日、北部アルマンティエール(Armentieres)で、クロヒョウが飼育されていたとみられるアパートの部屋の窓から逃げ出し、屋根の上をうろついていたところを捕獲。クロヒョウは、家畜化された野生動物の野生復帰に特化した施設に移送される予定だった。

 クロヒョウの飼い主は、野生動物の違法飼育の罪に問われるのを恐れて、同じ窓から逃亡したとみられている。

 市長によると、警察はまだ飼い主の居場所を突き止められていない。飼い主は一般市民を危険にさらしたとして、最長1年の禁錮刑と1万5000ユーロ(約180万円)の罰金が科される可能性があるという。(c)AFP