【9月25日 AFP】ラグビーW杯日本大会(Rugby World Cup 2019)は24日、プールAの試合が行われ、サモアが34-9でロシアに勝利。WTBエド・フィドウ(Ed Fidow)の連続トライなどで後半に得点を重ね、イエローカード3枚が出た肉弾戦を制した。

 蒸し暑い熊谷ラグビー場(Kumagaya Rugby Ground)での試合は、この日がチーム初戦だったサモアが前半、2選手が危険なタックルでシンビンを受けて一時13人になり、対するロシアも後半に1人がシンビンになる荒れ気味の展開だったが、その中で突破力のあるフィドウが輝きを放った。

 チームを率いるスティーブ・ジャクソン(Steve Jackson)ヘッドコーチ(HC)は、「2人の選手を失い、13人になった中で失点しなかったことについては、本当に選手を誇らしく思う」「後半に突き放せると思っていた。選手たちはまだフレッシュで、エネルギーを十分に残していた。何とか乗り越えることができて良かった」とコメントした。

 一方、ロシアのリン・ジョーンズ(Lyn Jones)HCは、20日の日本戦から中3日の強行軍だったことを嘆き、「金曜の試合(日本戦)は、選手にとってはW杯決勝で、体よりも精神的なダメージが大きかった」「今夜は試合に集中できていなかったし、日本戦と比べるとモチベーションが足りなかった」と話している。

 試合は前半15分、ニュージーランド代表のベテラン、ソニー・ビル・ウィリアムズ(Sonny Bill Williams)のいとこであるティム・ナナイ・ウィリアムズ(Tim Nanai-Williams)のパスから、アラパティ・レイウア(Alapati Leiua)がトライを決め、サモアが先制した。その後はロシアのベテランSOユーリ・クシュナレフ(Yury Kushnarev)のペナルティーゴール2本で逆転を許したが、13人になったおよそ10分間で相手に得点を許さず、5-6で前半を折り返した。

 そして迎えた後半は、前半に頭部を負傷したSHドウェイン・ポラタイバオ(Dwayne Polataivao)らを交代させて臨むと、最終的には攻撃力の違いを見せた。

 まずは開始4分、アファエセティティ・アモサ(Afaesetiti Amosa)が飛び込んで逆転トライを奪うと、クシュナレフのドロップゴールでロシアに1点差に迫られたが、直後の48分には、交代で入っていたレイ・ニウイア(Ray Niuia)の絶妙なパスからフィドウが一気に抜け出し、この日チーム三つ目のトライを決めた。

 ロシアに疲れが見え始める中、サモアはさらに、フィドウが代表戦9試合で10個目となるトライを決めてリードを広げ、ボーナスポイント獲得を決めると、レイ・リーロー(Rey Lee-Lo)が前半のイエローカードを埋め合わせるチーム5トライ目を奪取。最後は試合終了間際、レイウアが勝利に花を添える自身二つ目、チーム六つ目のトライを決め、やや出来過ぎな大勝を収めた。

 またサモアでは、トゥシ・ピシ(Tusi Pisi)が同国代表では最年長となる37歳でのW杯出場を果たしたが、キック6本中4本を失敗し、本人としては忘れてしまいたい試合になった。(c)AFP/Alastair HIMMER