ミャンマーのeスポーツ選手、最大の敵は「停電」
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【11月2日 AFP】ミャンマーのeスポーツ界のスター、ミン・ミャ・ゾー(Myint Mytat Zaw)さん(21)の画面は、勝利目前で真っ暗になった。ヤンゴンのインターネットカフェでプレーしていたミンさんは、何千ドルもの賞金を失い、名声に傷がついた。
ミャンマーのeスポーツ界は急成長しているが、頻繁に起こる停電がプレーの妨げになっている。「停電のたびに電力会社が恨めしくなる。しかも停電は頻繁に起こる」と、ミンさんはAFPに語った。
ミャンマーは2010年、数十年にわたって続いた軍政から民政へ移行し、海外からの投資も増加した。だが、国民の60パーセント以上は、いまだ電力が安定しない状況で暮らしている。
eスポーツは、今月開催予定の東南アジア競技大会(Southeast Asian Games)で初めて正式競技に採用されており、ミャンマーでもブームになっている。
しかし、ミャンマーは停電の危険がある上、国内選手を流出させずに海外遠征や大会出場をサポートするリソースも、パソコンも不足している。
「インセイン(尋常でない、の意)」の異名で知られるミンさんが、停電のために負けた試合は約40試合に上る。このため、高額賞金が出る海外での大会の出場枠を獲得するのは困難だという。
ミンさんは、ゲームで生計を立てるのは難しいと話す。「ここ3年は自分のキャリアにとって非常に難しい時期だった…ゲームショップで生活し、食べる物にも事欠いた」とAFPに語った。