【9月25日 CNS】中華圏で活躍する有名歌手、周杰倫(ジェイ・チョウ、Jay Chou)の新曲『説好不哭(意訳:泣かないと約束したから)』が8月16日午後11時発表されると、約19時間後には「QQ音楽(QQ Music)」「酷狗音楽(Kugou Music)」「酷我音楽(Kuwo Music)」の3つのインターネット音楽プラットフォームで695万曲、2000万元(約3億円)の売り上げを記録した。

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 国際レコード・ビデオ製作者連盟(IFPI)によると、中国の音楽市場で海賊版の占める比率は2012年度で99%だったが、2018年は正規版の比率が96%に達している。この背景には「QQ音楽」「網易雲音楽(NetEase Cloud Music)」「酷狗音楽」などの音楽配信プラットフォームが果たした役割が大きい。

 周杰倫の新曲発表時には、「騰訊音楽娯楽集団(テンセント・ミュージック・エンターテインメント・グループ、Tencent Music Entertainment Group)」の株価は下落から上昇に転じ、当日の終値は13.91ドル(約1500円)をつけ、1.24%上がった。

 中信証券(CITIC Securities)によると、近年、「騰訊音楽」の売り上げ原価は2016年第3四半期の約10億元(約150億円)から2019年第1四半期の37億元(約560億円)へと上昇しており、その中で音楽版権の占める比重が大きい。「騰訊音楽」が保有する曲目は2000万曲を超え、市場全体の約90%の版権を所有しており、内外のビジネスパートナーは200社を超えるとしている。

■春を迎える中国のデジタルミュージック

 市場調査会社「艾瑞諮詢(iResearch)」が3月に発表した「中国デジタルミュージック産業研究報告」によると、2017年の中国のデジタルミュージックの料金支払い率は3.9%で、同年の米国の料金支払い率34.7%に比べ差は大きかった。デジタルミュージック市場が国民に受け入れられたとは言い難いが、年ごとに増える傾向はあり、全面的に支払われるようになることは期待できるという。

「騰訊音楽」の開示データによると、2016年から2018年までの3年間におけるオンラインミュージック利用者数は、1350万人、1940万人、2700万人と急速に増加、今年の第2四半期には3100万人に達し、前年同期比で33%増となった。現在の利用者数は、スウェーデンのSpotifyと米国Apple Musicに次いで世界第3位だ。(c)CNS/JCM/AFPBB News