話題の顔交換アプリ「ZAO」 個人情報漏えいは大丈夫?
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【9月7日 CNS】「ZAO」という顔を交換できるアプリがソーシャルネットワークで話題になっている。8月31日午後4時時点で、iOSアプリストアでのダウンロード数は2位になった。「ZAOオフィシャル・アシスタント」によると、このアプリのサーバーは、人気のあまり負荷がかかりすぎて停止することがある。しかし、このアプリは一部のネットユーザーの話では、個人情報の漏えいの心配があるという。
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「スマホに登録した家族や友達の電話番号、および撮影した顔写真の情報が犯罪者に渡り、犯罪者は情報を改ざんしてあなたに成りすまして、あなたの家族などにコンタクトしてくる」というのだ。
こうした心配は起こり得るのか。以前、「ネットでドラマを見ていたら『主人公の顔が、中国の人気女優ヤン・ミー(Yang Mi)の顔に入れ替わった』」という「事件」があった。人工知能(AI)の顔交換アルゴリズム「ディープフェイクス(Deepfakes)」を使って、ドラマの主人公の顔を変えてしまうというものだった。つまり、ZAOに対する心配は、技術的に可能だということであろう。
技術的な可能性以上に心配なのはZAOユーザー契約の内容だ。ZAOユーザー契約には「アップロードおよび投稿された情報は、ZAOおよびその関連会社に権利が属する。ZAOと関連会社は無料でこの情報を用いることができ、永久に転載可能、譲渡可能という権利を保有する。ZAOユーザーはこれに同意したうえでZAOを利用する」という一文がある。
あるネットユーザーは「自分がいつのまにかアダルト映画の主役になっているかもしれない。考えてみたら実に恐ろしい」とコメントしている。
ある調査によれば、ZAOの運営企業は長沙深融合網絡科技で、その代表は雷小亮(Lei Xiaoliang)氏だ。そして、雷氏と王力(Wang Li)氏の2人が所有する海南ミャオ珈網絡科技が、ZAOの100%株主だ(出資額は5000万元<約7億5000万円>)。なお、海南ミャオ珈網絡科技の代表者は雷氏で、その持株比率は2人で50%ずつとなっている。
2人は、ネットゲーム会社の「陌陌(MOMO)」と深い関係がある。雷氏は陌陌の共同創設者でありゲームビジネス部門のディレクターをしている。王氏は陌陌の最高執行責任者(COO)兼社長であり、会社の製品、運用、マーケティングおよびビジネス全般の責務を担当している。
■顔認証の支払い、大丈夫?
ZAOに自分の顔写真を登録した後、ネット上の支払いに不正利用されるのではないかという心配が発生する。支付宝(アリペイ、Alipay)が微博(ウェイボー、Weibo)に載せた情報によると、「現在、ネット上の各種の顔交換ソフトはたくさんあるが、いくら本物そっくりであろうと、顔認証システムをだますことはできない」という。
アリペイによると、3D顔認識技術を採用し、人の顔認識を行う前に、ソフトハードウエアとの組み合わせで測定し、採取した人の顔が写真、ビデオ、またはソフトウエア・シミュレーションで生成されたかどうかを判断する。そのため、さまざまな人の顔偽造による不正使用を効果的に避けることができるという。(c)CNS/JCM/AFPBB News