【9月24日 AFP】米男子ゴルフツアー(PGA Tour)は24日、来月香港で予定されていた下部ツアーのクリアウオーターベイ・オープン(Clearwater Bay Open 2019)について、「抗議デモの長期化、社会不安、そして安全上の懸念」を理由に開催を中止すると発表した。

 全14戦が行われる予定だったPGAツアーチャイナでは、来月17日から20日に行われる今季最終戦が、香港で長引く反政府運動で暴力が振るわれるケースがあることから中止が決定された。これにより、シリーズは同10日から13日に開催されるマカオ選手権(Macau Championship 2019)でシーズン閉幕となる。

 PGAツアーはコメント文で、「香港で長期化しているデモ、社会不安、そして安全上の懸念から、PGAツアーチャイナは2019年のクリアウオーターベイ・オープンを中止する」と述べた。

 スポーツ大会では他にも、女子テニスのトップ選手が多く出場する予定だった来月の香港オープン(Prudential Hong Kong Tennis Open 2019)がすでに延期され、ハッピーバレー競馬場(Happy Valley Racecourse)で開催されている有名な競馬レースが先日、史上初のキャンセルとなっている。

 1997年に英国から返還されて以降、最大規模となった今回の反政府デモでは、大勢の民主主義支持者が4か月にわたり香港の通りを占拠。至る所でデモによる衝突が起きており、警官が警棒で攻撃したり、催涙弾やビーンバッグ弾を使用したりする事態が増えている。

 香港東部に位置し、広大な本土への入り口となっている清水湾(Clearwater Bay)のゴルフコースでは、大会が反政府デモのターゲットにされる恐れがあり、PGAツアーチャイナの責任者を務めるグレッグ・カールソン(Greg Carlson)氏は、「選手やスタッフ、ファン、ボランティア、その他大会関係者全員の安全が、何よりも常に優先される」と述べた。

「あらゆる角度からこの状況を分析し、われわれは団体として2019年のクリアウオーター・オープンを中止することが最良の決断であると判断した」

 PGAツアーチャイナは、100人以上のメンバーのうち約50人の中国人プレーヤーが参戦しており、政府の支援を受けている中国ゴルフ協会(CGA)と密接に連携して大会を開催している。本土以外では、マカオと香港でそれぞれ1大会ずつ行われているだけとなっている。

 シリーズの卒業生で最も有名なのは、現在世界ランク52位につける李昊桐(Haotong Li)で、2014年にはオーダー・オブ・メリット(賞金ランキング)でトップを記録。2017年の第146回全英オープン(The 146th Open Championship)では3位に入り、欧州ツアーでもこれまで2勝をマークしている。(c)AFP