【9月24日 AFP】ボクシング、元世界ミドル級統一王者のゲンナディ・ゴロフキン(Gennady Golovkin、カザフスタン)は、いまだ実現しない「カネロ(Canelo)」ことサウル・アルバレス(Saul Alvarez、メキシコ)との3度目のファイトについて聞かれるのにうんざりしている一方で、来月5日のセルゲイ・デレイビャンチェンコ(Sergiy Derevyanchenko、ウクライナ)戦で新たなタイトルを獲得することに集中している。

 空位となっているIBFとIBOのベルトを懸けた一戦が行われる米ニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデン(Madison Square Garden)で、これまで6戦全勝を記録している37歳のゴロフキンは、通算成績が13勝1敗(10KO)でIBFの王座に最も近いとされているデレイビャンチェンコについて、「かなり前から知っている。とても良いファイターだ」と語った。

 ゴロフキンは2018年9月にアルバレスと2度目の対戦を果たしたが、このときはアルバレスが判定勝ちを収め、当時無敗だったライバルをミドル級の統一王座から引きずり下ろした。しかし、タイトル防衛が懸かっていたデレイビャンチェンコとの指名試合がまとまらなかったことで、アルバレスはIBFのベルトを剥奪された。

 米カリフォルニア州南部の山奥にあるビッグベアー湖(Big Bear Lake)でトレーニングしているゴロフキンは、一時的に足を運んだロサンゼルスで報道陣の取材に応じ、タイトルに関するこれまでの経緯は特に重要でないと話し、「誰から奪ったものかは気にしない」「ボクシングをしたいだけだ。俺はファイターであり、どでかいファイトを望んでいる」とコメントした。

 一方、アルバレスは階級を二つ上げ、11月2日にWBO世界ライトヘビー級王者のセルゲイ・コバレフ(Sergey Kovalev、ロシア)と対戦することが決まっている。プロモーターを務めるオスカー・デラホーヤ(Oscar De La Hoya)氏は、2020年のゴロフキン対アルバレスの実現にかなり前のめりになっているが、アルバレス本人はこの一戦にさほど興味を示していない。

 ゴロフキンも前に進む準備を整えており、「あいつらのことはどうでもいい」「本当のところ、この件については話したくない。俺たちは契約を結び9月14日に対戦するはずだったが、向こうが逃げたんだ」と言い放った。

 新しい体力トレーニングと食事療法による成果が出ているというゴロフキンは、そのことによる変化に喜んでいる様子で、「気分は良くなっている。若返っている気がするし、前よりやる気がみなぎっている」と明かした。

「(トレーナーの)ジョナソン(・バンクス<Johnathon Banks>)と組む前は、ボクサーとして成長することに興味を失い始めていたし、少し飽きていた」「今はジョナサンにいろいろ教わったり、実証してもらったりしている。高揚感が増しているし、前進することを望んでいる」 (c)AFP/Rebecca BRYAN