【9月24日 AFP】英最大野党・労働党(Labour Party)は23日、開催中の党大会で欧州連合(EU)離脱(ブレグジット、Brexit)をめぐる激論の末、ジェレミー・コービン(Jeremy Corbyn)党首の既定路線通り、離脱・残留いずれへの支持も明確にせずに国民投票の再実施を推進する方針を決定した。

 創立119年の労働党の党大会は、10月31日にブレグジットの離脱期限を控え、決定的に対立している党内離脱派と残留派の決着の場となった。しかし結果は、2015年から同党を率いる社会主義者のベテラン政治家、コービン氏の意向が反映された。

 コービン氏の方針に反対する一部の党幹部は、親EU政党としてEU残留支持を明確に打ち出し、2016年の国民投票の結果を覆すべきだと主張していたが、痛手を負う形となった。

 最初に採択された方針はコービン氏の提案で、総選挙では党としてEU離脱・残留どちらの公式方針も打ち出さず、政権奪還後に臨時党大会を実施し、党の姿勢を明確にするとしている。

 次いで、政権奪還後にEUと再交渉した後、新たな離脱協定とEU残留を選択肢とする2度目の国民投票を実施するという方針が採択されたが、ここでは党として公式に残留支持を打ち出すべきとする勢力と激論となった。

 コービン氏のブレグジット戦略は、これまでのところ有権者に共感を呼んでいるとは言い難い。有権者の多くの支持は、EU残留を明確に支持している自由民主党(Liberal Democrats)か、EU懐疑派のナイジェル・ファラージ(Nigel Farage)氏率いるブレグジット党(Brexit Party)に流れつつある。

 先週末に発表された二つの世論調査では、労働党の支持率は与党・保守党に15ポイントの差をつけられ、2位の座を自由民主党に奪われる恐れさえある。(c)AFP/Dmitry ZAKS