■湿度が極端に高く、熱中症の危険性は他国より高い

 1964年の東京五輪は、夏の暑さを避けるため10月に開催された。今回、夏の開催が決まったことで、組織委員会は頭を抱え、マラソンなど複数の競技のスタート時間の前倒しや人工降雪など、さまざまな暑さ対策を打ち出している。

 だが、最近行われたテストイベントでは、フランスのトライアスロン選手が熱中症になり、ボート競技を観戦していた複数の人が体調を悪くするなど、暑さに対する懸念は解消されていない。

 テストイベントの多くは、気温と湿度を取り入れた国際的な指標、暑さ指数(WBGT)で運動するには「危険」とされる状況で行われた。

「熱中症患者多発が、その患者だけでなく、地域の救急、一般の医療に影響を与える。そこを十分に考えてとお願いしている」と長島氏は話す。「日本の暑さは単なる気温が高いだけでなく、湿度が非常に高いから、汗をかきにくいということで、熱中症になる危険性が、他の国よりもかなり高くなっている」

 しかし、日本の五輪開催が決定した以上、国は準備をし、来場者に健康に関するアドバイスをすべきだと長島氏は指摘する。

「ただし、そこは、しっかり予防すれば熱中症になることも防ぐことができます。しっかり熱中症のことを知っていただいて、しっかり予防策を取ってもらう。そのうえで、日本に来てください。日本のオリンピックを快適な状況で楽しんでください」と述べた。(c)AFP/Hiroshi HIYAMA