【9月21日 AFP】米ナショナル・フットボール・リーグ(NFL)のニューイングランド・ペイトリオッツ(New England Patriots)は20日、性的暴行疑惑でNFLの調査対象となっているWRアントニオ・ブラウン(Antonio Brown)を、獲得からわずか11日間で解雇した。

 米フロリダ州でレイプ事件の民事訴訟を起こされ、これまでその疑惑を否定しているブラウンは、米誌「スポーツ・イラストレイテッド(Sports Illustrated)」で今週新たな暴露記事が掲載され、ペイトリオッツから退団を宣告された。

 31歳のWRがペイトリオッツでプレーしたのはチームが43-0で圧勝したマイアミ・ドルフィンズ(Miami Dolphins)戦のみで、この試合では1タッチダウン、パスレシーブで合計56ヤードを獲得した。

 ペイトリオッツはコメント文で、「ニューイングランド・ペイトリオッツはアントニオ・ブラウンを解雇する」「この11日間にわたる多くの人の多大な尽力に感謝しているが、現時点で別の方向に進むことが最善であると感じている」と述べた。

 ブラウンが放出されたのは、スーパーボウル(Super Bowl)王者を指揮するビル・ベリチック(Bill Belichick)ヘッドコーチ(HC)が、同選手に関する質問を浴びせられて会見を切り上げた数時間後のことだった。

 ペイトリオッツに加入して3日後、ブラウンは元トレーナーのブリトニー・テイラー(Britney Taylor)さんから、2017年6月に起きた2件の性的暴行事件と2018年5月のブラウンの自宅でのレイプ事件で、フロリダ州マイアミの連邦地方裁判所に民事訴訟を起こされた。しかし、同選手はテイラーさんとの性行為は合意に基づくもので、訴訟については恐喝未遂だと訴えている。

 また、20日に伝えられたスポーツ・イラストレイテッド誌の記事では、ブラウンから2017年にみだらな要求をされたという女性が、そのときの詳細が同誌に掲載された後の18日夜に同選手から脅迫まがいのメールを受け取ったという新たな疑惑が明らかになった。

 テイラーさんの訴訟がどのような結果になろうと、NFLはブラウンを懲戒処分にすることができる。さらに、同選手のフィールド外の問題が引き起こす雑音に対して、ペイトリオッツがこれ以上関わる意思がないことも明確になった。

 リーグ側は同日夜、ブラウンに関する「複数の疑惑」の調査に乗り出していると発表すると同時に、同選手がフリーエージェント(FA)の状態であることを理由に、コミッショナーの除外リストに置くことはできないと付け加えた。(c)AFP