【9月20日 AFP】アフガニスタン南部の都市カラート(Qalat)で19日、旧支配勢力タリバン(Taliban)の車爆弾の爆発で病院が倒壊し、20人が死亡した。また、同国東部ナンガルハル(Nangarhar)州でこの日、無人機による爆撃で9人が死亡した。アフガニスタンでは多数の死傷者を出す事件が3日連続で発生している。

 アフガニスタン情勢をめぐっては、米国とタリバンの交渉により駐留米軍の撤退が始まる可能性もあったが、今月に入ってドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領が協議を中止。それ以降、大統領選挙が迫る中で暴力が急増し、民間人に最も大きな被害が出ている。

 タリバンは協議が「死んだ」とするトランプ大統領の発言を受け、戦闘の継続を宣言。今月28日に行われる大統領選挙を標的にすると言明している。この選挙は、2001年にタリバン政権が崩壊して以降4回目の大統領選となる。

 カラートでは19日未明、タリバンが爆発させた車爆弾により病院が倒壊。少なくとも20人が死亡、90人が負傷した。現場近くには情報機関の庁舎があった。

 各メディアはその数時間後、ナンガルハル州で夜間に行われた無人機攻撃により、民間人少なくとも9人が死亡したと報道。犠牲者は山地でキャンプをしながら松の実を採取していたとされる。

 現在、アフガニスタンでの紛争で航空支援を行っている駐留外国軍は米軍のみだが、今のところ米軍、国連(UN)、北大西洋条約機構(NATO)のいずれも声明を出していない。

 ナンガルハル州では18日、州都ジャララバード(Jalalabad)にある政府庁舎が正体不明の銃撃犯らと自爆犯による襲撃を受け、4人が死亡した。

 また、タリバンは17日、中部パルワン(Parwan)州と首都カブールで襲撃を実行し、合わせて50人近くを殺害した。パルワン州の襲撃は、アシュラフ・ガニ(Ashraf Ghani)大統領の選挙集会の会場付近で実行された。(c)AFP/Mushtaq MOJADDIDI with Noorullah Shirzada in Jalalabad