■細菌はどこから…

 今回の研究結果の一つは、母親の持つ細菌が新生児に定着する過程に関する従来説を覆すものとなった。これまでは、母親の膣(ちつ)管に由来する細菌が鍵となると考えられていたが、新生児の常在細菌叢を詳しく調査した結果、膣由来の細菌はほとんど存在しないことが明らかになったのだ。

 では、細菌はどこからもたらされたのか。

 論文の執筆者で、英バーミンガム大学(University of Birmingham)のピーター・ブロックルハースト(Peter Brocklehurst)教授(女性健康学)は、「出産時、新生児の口が母親の肛門の近くを通過することと関係しているのだろう」と話す。

「ほぼ確実にそこで新生児は細菌を取り込むと思われる。(中略)帝王切開では、新生児がその領域の近くに行くことはない」

 今回の研究について論文の執筆者らは、極めて複雑な分野に足を踏み入れたばかりで、抗生物質が新生児の常在細菌叢に与える影響など、数多くの疑問がまだ残っているとして注意を促している。(c)AFP/Sara HUSSEIN