【9月19日 東方新報】中国海関総署は9月8日、今年1月から8月までの輸出入に関する報告書を発行した。欧州連合(EU)、東南アジア諸国連合(ASEAN)、「一帯一路(Belt and Road)」関係国との輸出入額は前年比で10%前後増えた。一方、米国との輸出入額は9%減った。米国の対中経済政策から、中国は国際経済から孤立するという向きもあったが、世界貿易機関(WTO)の世界貿易見通しと比べても、中国の対外貿易は堅調と読み取れる。

 報告書によると、中国の物品貿易輸出入の総額は20兆1300億元(約307兆円)に達し、前年同期比で3.6%増加した。そのうち輸出は6.1%増の10兆9500億元(約167兆円)、輸入は0.8%増の9兆1800億元(約139兆円)、貿易黒字は46%増の1兆7700億元(約27兆円)となった。

 米国との貿易摩擦を背景に、中国の輸出入の相手国と額が変化した。今年の最初の8か月で、貿易相手国の上位4か国は、EU、ASEAN、米国、日本の順位であった。その輸出入額はEU9.7%増、ASEAN11.7%増、日本0.7%増と伸びた。「一帯一路」関係国との輸出入も好調で前年比で9.9%増となった。

 一方、米国との輸出入額は9%減った。対米貿易の黒字は、前年比7.7%増の1兆3300億元(約20兆円)となった。米中の関税追加争いは、米国側から見て「貿易不均衡」の問題を解決する方向に向かっていないとも、このデータからは読み取れる。

 WTOは4月、貿易摩擦などの影響を受けて、今年の世界貿易見通しを以前の3.7%増から2.6%増に引き下げた。このような世界経済の背景にもかかわらず、中国の対外貿易は依然として安定した成長を維持している。単月の輸出入額は5か月連続で2兆5000億元(約38兆円)を超えた。中国はその経済力を高めているといえよう。(c)東方新報/AFPBB News