面接での結婚の質問を禁止、「女性が輝く北京」目指す
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【7月10日 東方新報】中国北京市の人力資源社会保障局は、市の教育委員会など9部門と合同で「女性の雇用促進のためのより規範的な募集行為に関する通知」を発表した。中国の根深い女性への就職差別を解消し、「女性が輝く北京」を目指す。
通知によれば、求人のプロセスで女性に対して以下のことが禁止された。
▼性別を理由にした求職・就業の制限 ▼雇用の拒絶 ▼結婚・子育て状況に関する質問 ▼妊娠・出産・子育ての制限を雇用条件に入れる ▼雇用基準を差別的に高くする
同時に3歳以下の幼児保育サービスの発展を促進し、中小学生の放課後の学童保育サービスを強化することで、家庭教育の負担を軽減して女性の就業を促進するとした。
当局は、健全な求人が行われているかを監視する巡回審査の制度をつくり、雇用側の事業所が性差別をしていないかをチェックするようにする。ヒューマンパワーリソースサービス機構が発信する募集情報に対しても、審査義務を課し、雇用における性差別を見つければ即時に是正するように促した。
また、雇用する事業所やサービス機構に違反があった場合、法に基づいて是正させ、是正を拒否すれば、1万元(約15万8000円)以上5万元(約79万円)以下の罰金を科すとした。悪質な場合は、ヒューマンパワーリソースサービス機構の運営許可を取り消すという。こうした行政処罰などの記録は、事業者やヒューマンパワーリソースサービス機構の社会信用スコアにもつけられ、法に基づく信用喪失という懲戒も行われる。
北京市は、市の人力資源社会保障局と婦女連合、総工会(共産党系労働組合)の連合相談メカニズムをつくる。年末までに各区ごとでこうしたメカニズムを設置、自主的に関係部門の指導と監督を受けて、窓口でのスムーズな来訪接待や、ホットライン設置などによって、就職における性差別に関する告発、相談を適時に受け付けるようにする。さらに、インタビュー、対話、書面通知などの方法で、調査や調停を行い、適時に労働者と雇用側との矛盾を是正するという。
区・部門ごとでは、女性の就職差別に関する事案を法に基づいて受理し、双方の意見が対立する案件については裁判所での調停を模索するなど、就職差別に苦しむ女性に積極的に法律相談などの支援を行えるようにする。また、女子大学生に重点において、女性のための個別の職業指導と職業紹介なども行う。女性が参加できる適当な研修プロジェクトをつくり、産後に職場復帰する人にターゲットを絞った技能向上研修を行うよう雇用側を支援するという。(c)東方新報/AFPBB News