■被害者の「主観」で冤罪の恐れ

 性犯罪に関する刑法は2017年、110年ぶりに改正されている。男性も被害対象者と認められ、強姦(ごうかん)罪に替えて強制性交等罪とした法定刑の下限が懲役3年から5年に引き上げられた。だが、被害者が13歳以上の場合、暴行・脅迫によって抵抗できなかったことを証明できなければ強制性交にはならないという要件は変更されなかった。

 この刑法改正にあたり法務省が設けた「性犯罪の罰則に関する検討会」に角田弁護士も構成員として参加し、暴行・脅迫要件の見直しを訴えた。しかし大多数のメンバーは、被害者とされる人の「主観」を証明することは困難で、無実の人が有罪になる可能性もあるとして反対した。

 改正から3年後となる来年、改正刑法の見直しが予定されているが、暴行・脅迫要件の撤廃または変更が検討されるかは不明だ。

 法務省の担当者はAFPの取材に対し「(暴行・脅迫、抗拒不能の)要件を外してほしいという要請が一番多いという印象を受けて」おり、「重く受け止めている」と回答した。

 山本さんら性暴力被害者の支援者は、署名運動に協力した数万人の声がさらなる刑法の見直しにつながることを期待している。

 法制度上の性差別が解消される日は来るのか。性暴力被害者の人権保護を求める人々は、これからも毎月11日、全国各地に集まり抗議活動を続けるだろう。

 フラワーデモに参加した後藤稚菜(Wakana Goto)さん(28)は、集まった人々にこう話した。

「世界一安全ともいわれているこの国、日本で、私は3歳の頃から性暴力にさらされ、慣れさせられ、上手にあしらう方法を身に付けさせられてきました」と。 (c)AFP/Harumi OZAWA