【9月15日 AFP】ブラジル北部のアマゾン(Amazon)熱帯雨林で暮らす先住民らが13日、自らの土地での小規模金採掘は収入源になっているとして、試掘の許可を要求するデモを繰り広げた。

 パラ(Para)州モラエスアルメイダ(Moraes Almeida)では、同州で暮らす先住民ムンドゥルク(Munduruku)の人々や採掘人ら数百人が幹線道路を5日間にわたって封鎖。重要な輸送路がまひし、大豆やトウモロコシ、ガソリンを積載したトラック数百台が足止めされた。

 ジャイル・ボルソナロ(Jair Bolsonaro)大統領率いる同国政府は、抗議デモの代表者らと首都ブラジリアで16日に面会することで合意し、道路の封鎖は13日午後に解かれた。

 デモ参加者らは、先住民の土地での採掘を認めるよう要求。また、政府機関の環境・再生可能天然資源院(IBAMA)に対し、違法な操業に対する強制捜査で採掘用の装備品や車両を焼却しないよう求めている。

 デモに参加した採掘人や先住民らはAFPに対し、採掘を認めた先住民族は、自らの土地で発見された金をめぐり、10%の分け前を受け取っていると説明した。

 今年1月に大統領に就任したボルソナロ大統領は、開発を進めるためアマゾン熱帯雨林を切り開くと公言。先住民の土地を含め、小規模採掘を合法化するよう求めてきた。

 抗議デモに参加したムンドゥルクの指導者はAFPに対し、「小規模採掘は、仕事のない人間を助ける唯一のものだ」と語った。

 だが、ムンドゥルクの人々を含む多くの先住民らは採掘に反対。先住民らは、違法に試掘する人々が自分たちの土地に侵入し、暴力を用いて脅迫し、河川を汚染し採掘場所の森林を破壊していると非難している。

 サンタレン(Santarem)に住むムンドゥルクの首長はAFPに対し、メッセージアプリ「ワッツアップ(WhatsApp)」を通じ、「こうしたムンドゥルクの人々は…病気だ」と述べ、「ムンドゥルクの土地を一掃したい小規模採掘業者らに操られている」と指摘した。(c)AFP/Allison JACKSON