【12月5日 AFP】最近、インド・北センチネル島(North Sentinel Island)を訪れた米国人宣教師が殺害された事件をきっかけに、この島に住む先住民に世界中が注目した。彼らと同じように、外界との接触を拒絶している先住民が、南米アマゾンの熱帯雨林にも存在している。

 彼らの生活様式、そして暮らしそのものが今、麻薬の密売や違法伐採、鉱物探査などによって脅威にさらされている。

 国土の半分をアマゾン熱帯雨林に覆われているペルーは、現代社会から隔絶された先住民たちが、今も完全な自治によって暮らし続けている世界でわずかな国の一つだ。

 同国文化省によると、ペルー・アマゾンに住む先住民は約4500人で、グループの数は16あるという。彼らは、マシコ・ピロ(Mashco-Piro)、カカタイボ(Cacataibos)、イスコナワ(Isconahua)、マチゲンカ(Matsigenka)、マスタナワ(Mastanahua)、ムルナワ(Murunahua)、ナンティ(Nanti)、ヨラ(Yora)といった先住民たちで、自分たちの意志で孤立を保っている。

 他方で、ペルー東部には「接触の初期段階」にある先住民が3グループ存在している。その数は約2500人に上るとみられている。彼らは、ウカヤリ(Ucayali)、マドレデディオス(Madre de Dios)、クスコ(Cusco)にある保護区に暮らしている。

 これらの集団と外部者の接触は非常にまれで、時に暴力を伴う。

 アマゾンの先住民が外界との接触を拒む理由は、主に過去の入植者たちとの接触によって攻撃されたり、彼らが免疫を持っていなかった疾病が持ち込まれたりして、先住民コミュニティーが壊滅したことに負っている。

 19世紀末からアマゾンで起きたゴムブーム(1879-1912)では、先住民に対する「凶悪」な犯罪が引き起こされた。当時のアイルランド人外交官によると、数多くのマシコ・ピロが捕らわれて奴隷同様の状態で酷使されたために、残りのグループが逃れるようにして森のさらに奥へと潜んでしまったという。