【9月13日 AFP】フランスの経済学者で世界的なベストセラー「21世紀の資本(Capital in the Twenty-First Century)」の著者、トマ・ピケティ(Thomas Piketty)氏の新刊が12日、フランスで発売された。行き過ぎたグローバルキャピタリズムに警鐘を鳴らす内容となっている。

 ピケティ氏の「21世紀の資本」は、世界累計250万冊という発行部数を誇る。同作により、ピケティ氏は世界に数人しかいない「ロックスター経済学者」の一人に数えられるようになり、欧米諸国の左派政治家らの政策顧問も務めている。

 ピケティ氏は、またも分厚い1200ページに及ぶ新著「Capital and Ideology」(「資本とイデオロギー」の意)で、超富裕層への富の集中が人類を利するという考えの打破を目指している。

 その中で、最富裕層の個人の死去に伴う相続税率を最大90%まで引き上げる、25歳になった市民が物件購入や投資に充てられるよう、公的補助金を一律支給するといった、多数の提案を行っている。

 12日にフランスで発売された同作は、18か国語への翻訳が決まっている。英語版は来年3月に発売される予定。(c) AFP/Antonio RODRIGUEZ/Adam PLOWRIGHT