【9月11日 AFP】米国の重要情報源だったとされるロシア高官について米メディアが詳しく伝えたことについて、マイク・ポンペオ(Mike Pompeo)米国務長官は10日、このような報道は関係者の命を危険にさらす恐れがあると指摘し、怒気を含んで厳しく非難した。

 報道によると、この人物はロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領が2016年米大統領選挙への干渉を直接指示したことを裏付ける情報を米情報機関に提供したという。

 ポンペオ氏はホワイトハウス(White House)で、報道は「著しく不正確だ」と述べた。問題の人物がロシアから出国した2017年当時、CIA長官だった同氏は「前CIA長官として、こういうことについてはあまり話さない」と語ったが、記事の要点を否定することもなかった。

 一方、ロシアのメディア各社は、問題の人物はユーリ・ウシャコフ(Yury Ushakov)大統領補佐官(対外政策担当)の側近、オレグ・スモレンコフ(Oleg Smolenkov)氏だと特定し、スモレンコフ氏は2017年6月、モンテネグロでの休暇中に家族と共に姿を消したと伝えている。

 その後スモレンコフ氏は音信不通となっているが、2018年6月5日に米首都ワシントンの南約65キロに位置するバージニア州スタッフォード(Stafford)で、オレグ・スモレンコフとアントニナ・スモレンコフ(Antonina Smolenkov)という人物が共に住宅を購入したことが不動産記録から分かっている。

 この住宅は、森に囲まれ、手入れの行き届いた芝生のある広い敷地に建っている。匿名の近隣住民は、その家にはロシア人が住んでいて、周辺住民との関係は良かったが、前夜に立ち去ったと述べた。(c)AFP