【9月7日 AFP】(更新)米国で、電子たばこを吸った後に少なくとも5人が死亡していることが分かった。当局が6日に明らかにした。同国では、電子たばこに関連するとみられる肺疾患の報告事例が450件以上に上り、一部の10代が昏睡状態に陥るなどの症例が急増している。

 米疾病対策センター(CDC)の非感染症疾患部門のイリアナ・アリアス(Ileana Arias)副部長代理によると、電子たばこに関連するとみられる肺疾患の症例は、現時点で先週の倍以上となる450件以上報告されている。

 米ノースカロライナ州の呼吸器専門医ダニエル・フォックス(Daniel Fox)氏は、同氏が診察した患者はリポイド肺炎として知られる非感染性の肺炎を患っていたと述べている。この肺炎は、「薬物を含むオイルや液体が肺に入った際に」発症することがある。

 カリフォルニア州とミネソタ州の保健当局は6日、電子たばこ関連の死者2人のうち1人が大麻の主要な精神活性化合物テトラヒドロカンナビノール(THC)入りの製品を使用していたと発表した。

 ニューヨーク州の保健当局は、臨床検査の結果、同州で電子たばこを吸った後に病状を訴えた34人が使用した大麻カートリッジの中に、非常に高水準のビタミンEが入ったオイルが含まれていたため、このオイルに焦点を当てた調査を行っていることを明らかにした。ビタミンE酢酸エステルは、栄養剤としては一般的に経口・経皮で摂取されるが、吸入すると有害となる。

 一方、米食品医薬品局(FDA)のネッド・シャープレス(Ned Sharpless)代理局長は、FDAでもこの報告は認識しているとした上で、全国規模で「検査された全てのサンプルでは、ビタミンE酢酸エステルを含むどの物質も確認されなかった」と述べた。

 多くの患者は大麻の吸引を報告しているが、摂取したのはニコチンだけだと話している患者もいる。(c)AFP/Issam AHMED