【5月29日 AFP】フランスで2017年、毎日たばこを吸う人が前年より100万人減ったことが明らかになった。同国保健省が28日発表した特別報告書で明らかになった。

 調査は2017年、フランス国内に住む18~75歳の人を無作為に抽出して実施。調査対象者のうち、たばこを時々吸うと答えた人は31.9%(前年比3.2ポイント減)、毎日吸うと答えた人は26.9%(同2.5ポイント減)だった。これは毎日たばこを吸う人が前年より100万人減ったことを意味するという。

 フランスはたばこの煙が充満する首都パリの街角のカフェが国の代名詞ともなっていたが、保健省によるとたばこが原因で死亡する人は1日に約200人、年間で約7万3000人に上るという。アニエス・ビュザン(Agnes Buzyn)保健相は喫煙者減少というこの新しい傾向は明るい展望を示すものだと述べた。

 ビュザン氏は、俗に「罪悪税(sin tax)」とも呼ばれるたばこ税の引き上げや、禁煙カウンセリングやニコチンパッチにかかる費用の国庫負担制度、たばこパッケージへの健康警告表示の印刷などがこの傾向を後押ししたと語った。報告書は電子たばこの影響があったのかどうかについては言及していない。

 喫煙者の減少幅が最も大きかったのは低所得者層だった。ビュザン氏は2020年までにたばこ1箱の価格を10ユーロ(約1300円)に値上げする方針。フランスでは近年、たばこが段階的に値上げされており、現在は1箱8ユーロ(約1000円)近くになっている。(c)AFP