【9月4日 AFP】中国・新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)で2017年に逮捕され、投獄された人の数が前年比で激増していたことが公式統計で明らかになった。

 中国最高人民検察院(最高検)が発表した新疆ウイグル自治区の年間報告書によると、同自治区の人口は中国の総人口の2%しか占めていないにもかかわらず、2017年に全国で起きた逮捕事例の5件に1件が同自治区で発生していた。

 人権擁護団体「チャイニーズ・ヒューマンライツ・ディフェンダーズ(Chinese Human Rights Defenders)」の研究員フランシス・イブ(Frances Eve)氏は、2017年の新疆ウイグル自治区における逮捕および投獄件数が前年比で急増したことは、2016年8月に同区トップの共産党委員会書記に陳全国(Chen Quanguo)氏が就任して以来、強硬政策を推進している結果だろうと述べた。

 新疆ウイグル自治区では10年前の暴動以降、監視が強化され、大量拘束が相次いでいる。それまでの同自治区の逮捕件数は全国の総件数の2%を占めていたにすぎなかった。

 新疆ウイグル自治区に関する中国政府の政策に対しては、国際社会から非難の声が上がっている。人権団体らは、100万人に上るウイグル人やイスラム教徒の少数民族が「再教育施設」に収容されていると訴えている。だが中国当局は大量拘束について、宗教的な過激思想やテロリズムに対抗する措置だと説明している。

 国際人権団体「アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)」の中国調査員、パトリック・プーン(Patrick Poon)氏は、公共の治安を妨害した疑いで投獄された人の数が激増したことは、ウイグル人やイスラム教徒の少数民族を標的とし、長期間投獄するために司法機関も利用されていることを示していると述べた。

 多くは「公共安全危害罪」の名目での拘束だが、その適用範囲は曖昧で、大規模な無許可集会の開催から大量殺傷事件までさまざまな行為が含まれる結果となっている。年間報告書によると、この容疑に問われた人の数は、2007年には1710人だったが、2017年には6万510人に上った。(c)AFP