【9月4日 AFP】米国防総省は3日、ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領が命じたメキシコとの国境沿いの壁建設費用に、同省の予算から36億ドル(約3800億円)を転用すると明らかにした。

 国防総省のジョナサン・ホフマン(Jonathan Hoffmann)報道官は、マーク・エスパー(Mark Esper)国防長官が国内外の「延期されているプロジェクト」127件の資金の転用を正式に承認したと述べた。

 壁の建設に反対して複数の訴訟が起こされ、連邦裁で予算転用に対する差し止め命令が出されたが、米最高裁は7月、予算転用を認める判断を下し、壁建設を進めることが可能になっていた。

 メキシコとの国境沿いの壁建設は2016年の大統領選でトランプ氏の主要公約だった。次の大統領選を来年に控え、トランプ氏は壁建設が進んでいないとの批判に神経質になっているもようだ。

 エスパー国防長官が予算転用を承認したことで壁の建設は急速に進むとみられるが、米国自由人権協会(American Civil Liberties Union)はトランプ大統領が権力を乱用しているとして訴える構えを見せており、壁の建設阻止を狙って新たな訴訟が起こされる可能性もある。(c)AFP