【9月1日 AFP】米国で2020年に開催される先進7か国（G7）首脳会議（サミット）の候補地としてドナルド・トランプ（Donald Trump）大統領が推薦するリゾート施設について、「トコジラミ（南京虫）だらけ」との指摘がソーシャルメディア上で広まり、トランプ氏は「虚偽でいやらしいうわさだ」とツイッター（Twitter）で猛反発している。

　話題となっているのは、トランプ氏がフロリダ州マイアミ近郊に所有するゴルフリゾート施設「トランプ・ナショナル・ドラール（Trump National Doral）」。トランプ氏はフランスで先月26日まで行われていたG7サミットで、次回の開催地に最適だと同リゾートをアピールしていた。

　ところがG7が閉幕した26日、ツイッターでハッシュタグ「#Trumpbedbugs（トランプトコジラミ）」がトレンド入り。コメントの大半は、トランプ氏が大統領の職権を乱用して自身のゴルフリゾート事業を宣伝しているという批判だったが、2017年1月30日付の米紙マイアミ・ヘラルド（Miami Herald）の記事が、火に油を注ぐ結果となった。記事は、トランプ氏の弁護団が、ドラール滞在中にトコジラミ被害にあったと訴えていたエリック・リンダー（Eric Linder）さんと和解したという内容だ。

　ニュージャージー州在住で保険会社重役のリンダーさんは2016年7月、ドラールで1泊300ドル（約3万2000円）するジャック・ニクラス（Jack Nicklaus）ビラに宿泊した際にトコジラミに刺されたとしてドラールを提訴。トコジラミに刺された痕だらけの背中や首、腕の写真を証拠として提出した。これに対し、ドラール側は、トコジラミに刺された「直接的または間接的な唯一の原因」はリンダーさん側の行為にあると反論していた。

　トランプ氏はG7から帰国するなり「ドラールにトコジラミなどいない」と、ツイッターで怒りをあらわにし、「極左の民主党員らが、次回のG7開催地として検討されているドラール・ナショナル・マイアミの立地条件が完璧だと聞きつけて、虚偽でいやらしいうわさを拡散している。不愉快なことだ」と付け加えた。

　トコジラミをめぐっては、米紙ニューヨーク・タイムズ（New York Times）も8月26日、社屋内でトコジラミが目撃されたと社員らに電子メールで警告。2階の休憩室、3階のソファ、4階の個室でトコジラミの痕跡が確認されたという。

　ソーシャルメディアではニューヨーク・タイムズのトコジラミ事件もやゆされているが、こちらの件にはトランプ氏は一切言及していない。(c)AFP