【9月11日 東方新報】中国の国家宇宙局(China National Space Administration)月探査・宇宙飛行プロジェクトセンターは来年、中国初の火星探査任務を実行する。火星を周回し、着陸、巡視などを通じて、全体的かつ局部的な探査を実施する。最初の1回の惑星探査任務で、「周」「着」「巡」の三つ同時に挑むのは宇宙事業史でも初めて。その前に同センターは、火星探査任務科学目標先行研究団を立ち上げ、参加する人員の公募を開始した。

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 研究団は、火星探査任務の科学研究において「早期に、素早く、よい成果」を上げる任務目標が掲げられており、研究の早期着手、早期準備を積極推進するために初めて組織された。主な職務は、任務目標に従って、具体的研究目標、内容、方式などを含めた研究プロジェクトを提示すること、科学的搭載実験や計測実験、搭載物の効果、機能、運行モデル、データ処理方法、科学的検証実験や計測実験結果の評価を行うこと、科学研究項目に従い、関連するペイロードデータを提出すること、および探査に対する具体的提案を行うことなどだ。

 また、同業の専門家とも連絡をとり組織的な研究交流も展開し、科学研究の設備や技術、チームを継続させていくことが推奨されている。

 同センターは、国内の関連領域の多くの科学者たち、特に若く宇宙探査事業に身をささげる意欲のある科学者に惑星探査科学の発展を促進してもらいたいと、全国の科学院や高等研究施設を通じて募集をかけていく。

 2020年は中国だけでなく、米国、欧州宇宙機関、インド、アラブ首長国連邦も火星に探査機を送り込む、火星探査イヤーともいうべき一年。26か月周期で火星が最も地球に近づくタイミングが巡ってくる年でもあり、各国が競って火星の謎に挑むことになる。(c)東方新報/AFPBB News