【8月30日 AFP】南米のアマゾン(Amazon)熱帯雨林で続く森林火災をめぐり国際社会からの批判が相次ぐ中、ブラジル政府は29日、60日間の野焼き禁止令を施行した。アマゾンでは今も連日数百件の火災が新たに発生していることが、最新の統計で明らかになっている。

 野焼き禁止令については早くも、効果がないとの指摘が活動家らから上がっている。社会環境研究所(Socio-Environmental Institute)のロドリゴ・ジュンケイラ(Rodrigo Junqueira)氏は「無許可で野焼きをしている人々は従わないだろう」と述べている。

 消火活動では先週末以降、数千人の兵士と消防隊員が動員された他、ブラジル北部の最も被害が大きい地域ではC130ハーキュリーズ(Hercules)輸送機2機などが上空から水を投下し消火活動に当たっている。

 公式統計によると、27・28日で1600件余りの火災が新たに発生し、今年初めからの火災発生件数は8万5000件近くと2010年以来で最多を記録。うち大半が広大なアマゾン盆地で起きている。

 ブラジルのジャイル・ボルソナロ(Jair Bolsonaro)大統領による野焼き禁止令は29日に公布されたが、アマゾン地域では今年、違法活動の監視を担当する機関が弱体化されたことを背景に森林伐採が急増しており、人里離れた地域で2か月間にわたり禁止令を施行できるのかを疑問視する声が既に上がっている。(c)AFP/Jordi Miro with Allison Jackson in Rio de Janeiro