【8月29日 AFP】イエメン暫定政権は28日、拠点とする国内第2の都市アデン(Aden)を、南部の分離独立を主張する「南部暫定評議会(STC)」から奪還したと発表した。ただ、STC側は現在も市内の大部分を掌握していると主張し、暫定政権の発表に異議を唱えている。

 イエメン暫定政権は、北部の首都サヌアが2014年に親イランのイスラム教シーア派(Shiite)系反政府組織フーシ派(Huthi)に占拠されて以降、アデンを拠点としてきた。ところが今月初め、STCがアデンを占拠。約3週間にわたって暫定政権軍との抗争が続いている。

 暫定政権のムアンマル・イリヤニ(Moammer al-Eryani)情報相は、国際社会が認めるアブドラボ・マンスール・ハディ(Abedrabbo Mansour Hadi)暫定大統領の政権に忠誠を誓う部隊が「アデンの大統領府と周辺地区を制圧した」とツイッター(Twitter)で発表。「暫定政権軍と治安部隊は、同地区を完全に掌握している」と述べた。

 しかし、STC側の民兵組織「セキュリティーベルト隊(Security Belt Force)」の高官筋はAFPの取材に対し、暫定政権の主張には証拠がないとの見解を表明。アデンの大部分は今もSTCが支配しており、近郊に進入した暫定政権軍は反撃され後退したと語った。

 現地のAFPの記者によると、アデン空港付近には現在もSTCの戦闘員が展開しているという。(c)AFP