【8月29日 AFP】(更新)ボリス・ジョンソン(Boris Johnson)英首相は28日、英議会を10月13日までの1か月間閉会すると発表した。英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット、Brexit)期限の直前まで議会が閉会することとなり、ブレグジットに反対する議員らは猛反発している。

 この電撃発表を受け、英ポンドは急落。ブレグジット反対派からは「クーデター」「宣戦布告」との批判の声が出ている一方、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領はジョンソン氏を「素晴らしい」と称賛した。

 ジョンソン氏は10月31日の期限に合わせた「合意なき離脱」も辞さないとしており、同氏の計画阻止を目指す親EU派議員らは、議会の1か月閉会により想定よりも短い時間しか得られないことになる。

 エリザベス女王(Queen Elizabeth II)は、英議会が過去400年近くで最長の期間にわたり続いていた今会期を終え、10月14日から議会を再開してジョンソン氏の新たな立法計画を打ち出すとした同氏の要請を承認した。

 不意打ちを受けたとみられる反ブレグジット派議員らは怒りを表明し、ジョンソン氏の動き阻止に向け奔走。ジョン・バーカウ(John Bercow)下院議長も、議会の閉会延長はブレグジットについての討論を阻止するために発案されたものだとし、「憲法のじゅうりん」に当たると非難した。

 10月17・18日に開かれるEU首脳会議(サミット)では、英国が将来の貿易関係と市民らの権利を定める協定のないまま40年加盟していたEUから離脱する「合意なき離脱」に踏み切るかどうかが決まる可能性がある。

 ジョンソン氏は、サミットの双方の議員にとってブレグジットを審議する「十分な時間」があると指摘。閉会延長には自身の離脱戦略を阻止する議員の動きを封じる狙いがあるという見方は「全く真実でない」とし、「ブレグジット後の国の再生に向けた、新しく大胆かつ野心的な国内の立法議案を提出する」ことが目的だと説明した。(c)AFP/Robin MILLARD