【8月29日 CNS】中国の自由貿易試験区が再び拡大の時期を迎えている。国務院は26日、6つの自由貿易試験区の新設案を発表した。山東(Shandong)、江蘇(Jiangsu)、広西(Guangxi)、河北(Hebei)、雲南(Yunnan)、黒竜江(Heilongjiang)で自由貿易区を新設する。これにより、中国の自由貿易区は18か所へと拡大し、沿海の省は全てが自由貿易区となる。

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 新設の自由貿易区には、それぞれ異なる戦略的使命がある。

「山東」は、主として新旧動力エネルギーの転換を進め、質の高い海洋経済の発展を目指す。中国・韓国・日本の地域経済協力を深める。

「江蘇」は、産業構造の調整を進め、革新的産業の発展戦略を実行し、開放型経済と実体経済の発展と産業構造の転換の面で試みを先行する。

「広西」は、東南アジア諸国連合(ASEAN)との協力関係を進め、国際的な陸海貿易ルートを構築し、国境を接する地帯の開放などにより、21世紀の海と陸のシルクロードの玄関口となる。

「河北」は、主として北京・天津との提携をめぐり、質の高い雄安(Xiongan)新区の建設、ハイテク産業や国際的な物流ハブ、新型工業化基地などの試みで先行する。

「雲南」は、ベトナム、ラオス、ミャンマーなど周辺国家との協力関係を発展させ、南アジアと東南アジアとをつなぐルートとして、南へ向って輻射(ふくしゃ)するセンターとする。

「黒竜江」は、東北地方の全面的振興を進め、産業構造を調整し、ロシアと東北アジアに通じる物流ハブを建設し、国境に接する地帯の開放レベルを引き上げ、ロシアおよび東北アジアとの協力関係を進めるセンターとする。

 商務部研究院国際市場研究所の白明(Bai Ming)副所長は、自由貿易区は改革開放の「試験田」であり、多くの異なる自由貿易区で、異なる内容の試みを行う中で得られた成功体験は、必ずや広く適用可能な成果となり、さらに強く改革開放の推進に役立つだろう、と語る。(c)CNS/JCM/AFPBB News