【8月28日 AFP】コート上での戦いが始まった全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2019)だが、舞台裏では賞金の大幅増額を目指す男子選手たちの戦いも繰り広げられており、ビッグネームを含めた一定数の上位選手、さらには女子選手からも賛同の声が集まっているという。

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 賞金アップを求める嘆願書に100人近い選手の署名が集まったという報道の中で、選手の収入の裏事情を明かしたのは、カナダのバセック・ポスピシル(Vasek Pospisil)。ポスピシルは「たくさんの名前がある。たくさんのね。これ以上は言えないが、大物の名前もある」と話し、大会の収入のうち選手に還元されるのがわずか14パーセントの現状では、テニスで食べていけるのは世界ランキング上位100位までがせいぜいだと訴えた。

 またポスピシルによれば、スローン・スティーブンズ(Sloane Stephens、米国)ら、WTA選手協議会(WTA Players' Council)のメンバーの中にも賞金増という共通の目的を持ち、共同戦線を張ろうと考えている選手たちがいるという。

 一方でポスピシルは、目的のために出場ボイコット等の強硬手段を取ることは考えておらず、「こう言いたいだけなんだ。『ねえ、僕らはここにいるから、フェアな話し合いと、腹を割った説明を頼むよ。どうしてこうでなきゃいけないかを説明してくれ』とね」「ごくごく紳士的なものだ。『話し合いのテーブルについてもいいかな? なぜこうなのか、なぜ14パーセントなのか説明してくれないか?』という訴えだ」と話している。

 現在、2011年5月以降では自己最低の世界ランキング216位に沈んでいるポスピシルはこの日、4-6、7-5、7-5、4-6、6-3で第9シードのカレン・ハチャノフ(Karen Khachanov、ロシア)を破り、2回戦に進出した。(c)AFP/Jim SLATER