【8月23日 AFP】ミャンマーのイスラム系少数民族ロヒンギャ(Rohingya)が避難を余儀なくされてから2年が経過し、問題への関心が薄れつつある中、国連(UN)の世界食糧計画(WFP)が見いだした「新兵器」がその関心維持に一役買っている。生後3週間で保護されたという捨て犬だ。

 ミャンマー軍の弾圧を受け、バングラデシュに身を寄せているロヒンギャは数十万人に上る。帰国の見通しが立たないまま、難民キャンプでの生活を続けている。

 ロヒンギャの一斉避難は当初、世界的な注目を集めた。米女優で国連特使のアンジェリーナ・ジョリー(Angelina Jolie)さんがキャンプを訪問したこともある。そういった援助機関の取り組みもむなしく、世間の関心は薄れつつある。

 このような現状がある中、WFPの職員らは昨年末、ロヒンギャ難民が暮らすバングラデシュ南東部のコックスバザール(Cox's Bazar)の海辺に捨てられた生後3週間の子犬を保護。「フォックストロット(Foxtrot)」と名付けて飼い始めた。

 WFPで広報を担当するジェンマ・スノードン(Gemma Snowdon)氏は、時間の経過につれ、問題への関心や反応は弱まるのが常だが、フォックストロットの写真を自身のソーシャルメディアページに投稿した際に、この子犬が活躍してくれるかもしれないとひらめいたと話している。

 フォックストロットは現在インスタグラム(Instagram)上に、「人道犬」を意味する「humanitarian_pup」という名のアカウントを持っており、難民キャンプ周辺での活動を定期的に投稿している。

 スノードン氏はAFPに対し、フォックストロットは「寄付者らの間で非常に人気」で、関心の拡大や維持に一役買っていると述べた。(c)AFP