【8月19日 AFP】スウェーデンの高校生環境活動家グレタ・トゥンベリ(Greta Thunberg)さん(16)が国連(UN)の気候変動サミットが開かれる米ニューヨークに向かうため乗船している炭素排出量ゼロのヨットに関し、欧州へ戻すための人員として航行チーム数人が飛行機で渡米することが分かった。インターネット上では二酸化炭素排出をめぐって批判の声が出ており、チーム側は釈明に追われた。

 地球温暖化対策を求める学校ストライキによって世界中の子どもたちの間に旋風を巻き起こしたトゥンベリさんは、二酸化炭素を排出するという理由から飛行機の利用を拒否している。

 そんなトゥンベリさんだが、良心の呵責(かしゃく)なく大西洋を横断して国連会合に参加できるよう、父のスバンテ(Svante Thunberg)さんと旅路を記録するドキュメンタリー作家と一緒にレース用ヨット「マリツィアII号(Malizia II)」でニューヨークに向かうことを提案され、今月15日に英プリマス(Plymouth)を出航した。

 しかし、今回の旅で共同船長を務めるドイツ人のボリス・ヘルマン(Boris Herrmann)氏の広報担当は独ベルリン紙「ターゲスツァイトゥング(Tageszeitung)」に対し、ヨットを欧州に戻すために航行チーム数人が飛行機で渡米し、ヘルマン氏自身は空路で帰国すると明かした。

 また、同紙はヨットでの移動は飛行機よりも実際は汚染の影響が大きいのではと推測しており、すぐにトゥンベリさんに批判的な人たちがソーシャルメディアなどで話題にした。

 航行チームの責任者であるホリー・コバ(Holly Cova)氏は、トゥンベリさんによるヨットの旅について環境に優しいものだと主張。一方で「非常に急な依頼だったため、ボートを戻すために結果として2人が渡米しなければならなくなった」と釈明した。

 トゥンベリさんは9月23日にニューヨークでの国連会合に出席し、12月には別の国連会合でチリを訪れるほか、カナダやメキシコにも立ち寄る予定で、どのように移動するかについては明らかになっていない。(c)AFP