【8月15日 AFP】(更新)香港との境界に接する中国本土・深セン(Shenzhen)のスポーツ競技場で15日、中国の治安部隊が大規模なパレードを行った。AFP記者が目撃した。香港で大規模なデモに伴う混乱が10週間にわたって続く中、中国当局の介入への懸念が高まっている。

 AFP記者によると、赤い旗を振りながら行進する治安部隊の隊員の中には、人民武装警察部隊(武警、People's Armed Police)の記章の付いた迷彩服を着ている者が複数いた。競技場内には装甲車も配備され、隊員らは隊列を整えて行進したり、走ったりしていた。

 香港との境界から約7キロの距離にある競技場の外には、多数の軍用トラックや装甲車が並び、バイクに乗った隊員が場外を周回する姿も目撃された。

 これに先立ち、中国国営紙の人民日報(People's Daily)と環球時報(Global Times)は12日、中央軍事委員会(Central Military Commission)管轄下の武警の部隊が深センに集結していると報道。環球時報の胡錫進(Hu Xijin)編集長は、中国が香港介入を準備しているとの見方を伝えていた。

 人民日報によると武警は、「暴動、騒乱、深刻な暴力および犯罪行為、テロ攻撃など社会的な治安事案」に対応する部隊。

 香港返還後に中国が軍事介入をした事例はないが、香港政府が「公共の秩序」を維持するため要請すれば介入は可能となる。シンガポール南洋理工大学(Nanyang Technological University)の軍事専門家、ジェームズ・チャー(James Char)氏は、中国部隊の深センへの展開について、国内に向けて強さを印象付けると同時に、「綿密に計算されたデモ参加者向けメッセージで、抗議行動の激化や継続についてよくよく考えるよう」伝える意図があるとの見方を示している。(c)AFP